何故ガンダムが子育てアニメと解釈出来るか説明しようじゃないか
ガンダムってご存知ですか?
いわゆるファーストガンダムと呼ばれる一番最初のテレビシリーズ。
この物語を思い返して見ると、殆ど子育てだなって気付いたんですよね。
ガンダムって子育てだなって。
色んな人が色んな分析しててさ、戦争の悲惨さを伝えたとかさ、人間の成長を描いたとかさ、過ちを繰り返す人の業を表現したとかさ。
いやいや、結局あれは子育てですから。
育児アニメですから。
クレヨンしんちゃんとかと同じジャンルですから。
なので今回はそれを証明したいなって思います。
ガンダムを知っているけど子育てを知らないっていう方は子育てについて知れますし、子育てをしているけどガンダムは観たことないって方はガンダムのストーリーを知れる画期的な記事です。
ガンダムも子育ても無縁だっていう人にとっては地獄のような時間になると思いますがどうぞお付き合い下さい。
- ①ガンダムの序盤のストーリー
- ①子育て的解釈
- ②シャアの部隊による襲撃で日常が一変
- ②子育て的解釈
- ③ガンダムに乗り込むアムロ
- ③子育て的解釈
- ④味方の勢力圏内に降下するつもりが…
- ④子育て的解釈
- ⑤度重なる戦闘で心身ともに疲弊する
- ⑤子育て的解釈
- ⑥青い巨星ランバ・ラル襲来
- ⑥子育て的解釈
- ⑦黒い三連星襲来
- ⑦子育て的解釈
- ⑧連邦軍本部が襲撃される
- ⑧子育て的解釈
- ⑨宇宙要塞ソロモンの攻防
- ⑨子育て的解釈
- ⑩ア・バオア・クー最終決戦
- ⑩子育て的解釈
- ⑪アムロの帰る場所
- ⑪子育て的解釈
①ガンダムの序盤のストーリー
増えすぎた人類が宇宙のコロニーに移住するようになった未来の地球。
地球の衛星軌道上にはスペースコロニーがいくつも浮かんでいた。
ある日、地球からの腐敗した統治に反発したサイド3というコロニー自治政府が、ジオン公国と名乗り地球連邦政府に対して独立戦争を挑む。
ジオン公国軍は高性能な人型兵器、モビルスーツの実戦配備に成功しており、物量で勝る連邦軍を圧倒。
開戦から数ヶ月で地球の約半分がジオン軍の勢力圏内となった。
この頃主人公のアムロはサイド7という平和なコロニーで趣味の機械いじりを、アムロと行動を共にするブライトは士官を目指して地球連邦軍に入隊していた。
①子育て的解釈
はい。
この時点でアムロ少年は趣味に没頭。
ブライトは軍人として戦争を肌で感じていた事でしょう。
これはアムロは夫、ブライトは妻と解釈しましょう。
ブライトは妻です。
誰がなんと言おうとブライトさんは妻です。
妊娠ですでに母となっている妻と、まだそれを実感できていない意識の低い夫を表しているのです。
戦争はすでに始まっているのだが、アムロはまだそれを身近に感じてはいません。
②シャアの部隊による襲撃で日常が一変
アムロが暮らすのは連邦軍の勢力圏内であるサイド7という新造コロニー。
しかし、ここで実は連邦軍はジオン軍に対抗する為のモビルスーツ、ガンダムの開発を行っていた。
その情報を察知したジオン軍のエースパイロット赤い彗星のシャアは、モビルスーツ隊を偵察に送り込む。
しかし成り行きでコロニー内で交戦状態となるのだ。
とうとうアムロの所にも戦争というカオスが訪れたのだった。
②子育て的解釈
シャアのサイド7への襲撃は間違いなく出産を表しています。
ええ、これは間違いないです。
趣味に没頭していたアムロに突然襲いかかる非日常。
ここで夫はようやく赤ちゃんを授かった事実を身を持って感じる事になるのだ。
だがこれは、ここから始まる物語のほんの序章に過ぎない。
③ガンダムに乗り込むアムロ
ザクの襲撃にあったアムロだが、偶然放置されていた連邦軍のモビルスーツガンダムに乗り込み、どうにかこれを撃退する。
以降、平和から一転、彼は戦場に身を置く事になる。
暗い部屋で機械いじりが趣味のだらしのないアムロ少年が、大海に投げ出された瞬間だ。
一方で、ブライトは19歳という若さでありながら軍人。
しかも士官候補生、さすがに意識が高い。
部下を指揮をしながら民間人を脱出用の戦艦ホワイトベースに誘導するのだ。
③子育て的解釈
新生児期。
妻も夫も経験は無いが、夫はこの時点でようやく子供を授かった実感を得るに至る。
しかし実戦はそう甘くない。
うんちの回数ザクマシンガン並み。
オムツ取っ替え引っ替え。
テンパりながらガンダムを初めて操作するアムロは、首の座っていない赤ちゃんを初めて抱っこする夫を表現しています。
思うように扱えないし下手に触れて良いものなのかも分かんない。
「こいつ、動くぞ」
初めてベビーバスで洗う時の、落として沈めてしまうのではないかという恐怖との戦い。
思いの外手足をバタバタさせやがるあの感じは、アムロがぎこちなく操縦するガンダムと同じです。
④味方の勢力圏内に降下するつもりが…
崩壊するコロニーから戦艦に乗り脱出。
そのまま地球の連邦軍勢力圏内に降下しようとする。
が、大気圏突入時に再びシャアの激烈な追撃があり進路がずれて、なんとジオン軍の勢力圏のど真ん中に降下してしまう事になる。
ここからジオン地上軍との激しい戦闘が続く。
戦艦ホワイトベースは絶え間なく戦闘に晒されて行くのだった。
④子育て的解釈
正に猛攻!
向こうは全ての要求を泣くという行為のみで解決させようとしてくる。
昼夜問わず数十分、下手したら数分ごとに泣き喚く赤ちゃんに対し、妻も夫もノイローゼ気味になる時期。
多少の覚悟はあったものの、現実のその余りの非日常に耐え切れなくなった夫は、様々な異変を起こす。
予定していたポイントに降下出来なかったホワイトベース。
これは予定通りに進まない育児を大気圏突入というイベントで表現したんですよね?
ですよね?
⑤度重なる戦闘で心身ともに疲弊する
地上に降下したホワイトベースは激しい攻撃に晒される。
多くが民間人で構成されたクルーをまとめ上げるブライトだが、アムロは度重なる戦闘と期待に嫌気が差しふさぎ込んでしまう。
その際の会話がこれだ。
アムロ「ブライトさんはなんで戦っているんです?」
ブライト「今はそんな哲学など語っている暇は無い!立てよおい!」
そしてこの後、名シーンが訪れる。
バシン!(ビンタ)
アムロ「な、殴ったね」
ブライト「殴ってなぜ悪いか?貴様はいい、そうしてわめいていれば気分も晴れるんだからな」
バシン!(ビンタ)
アムロ「二度もぶった!親父にもぶたれたこと無いのに!」
⑤子育て的解釈
ええ、分かりますよね?
多くの家庭でこういった会話、またこのビンタに相当する何かが起きます。
辛さを吐露したり逃げたりしがちなのは夫の方。
自分で書いておいて耳がいてーぜ全く。
育児による重圧は夫婦共に同じだが、責任感はまだまだ妻の方が上だ。
まぁビンタという手法はさておき、不安なのは夫も妻も同じ。
しかしあれこれ考えている暇は無い。
重圧から逃げようとする者は理由を求めたり理論を持ち出したりしがちだが、今はそんな事よりもこの戦場を切り抜ける為の最善を尽くすしか無いのだ。
劇中ではこれを契機にアムロにも自覚が芽生え始める。
ブライトにはとっくにあった責任感がアムロにも芽生える。
このホワイトベースを守っているのは自分なのだと。
⑥青い巨星ランバ・ラル襲来
青い巨星の異名を持つ歴戦のエースパイロット、ランバ・ラルの部隊がホワイトベースを襲う。
ジオン軍はザクと言われるモビルスーツが主戦力であったが、ランバ・ラルは青い新型機、グフに搭乗し、ザクとは比べ物にならない性能を見せつける。
⑥子育て的解釈
今までは基本的に寝転んでいるだけだった赤ちゃん。
しかし5.6ヶ月頃になると”ずりばい”という腕だけで床を移動するようになる。
今までとは違う性能を見せてくる訳だ。
輪ゴム、髪の毛、ホコリの塊、等々。
今まで気にしていなかった床の小さなゴミが全て危険物と化す時期。
ずりばいを始めた赤ちゃんは、こういったゴミを見つけてはすぐに口に入れてしまう。
決してゴミを吸わせてはならないルンバが部屋にいるのと同じ。
今まではザクの動きに対応すれば良かったのだが、これからはグフの性能を意識していかなければならない。
細かい目配りが必要になるという事は、新たなストレスなるのだ。
⑦黒い三連星襲来
ランバ・ラルを撃破したホワイトベース一行だが、今度は更なる新型機、ドムに搭乗した部隊黒い三連星が襲来する。
3機のドムのホバリングによる高速かつトリッキーな動きに苦戦を強いられるアムロとブライト。
その性能差でどうにか有利に進めて来たガンダムだが、ジオン軍の新型は少しずつその差を埋めてくる。
⑦子育て的解釈
ずりばいは足を動かさないハイハイでしたが、ここから完全なハイハイに発展するのが一般的。
無論個人差はありますが。
グフに慣れたと思ったら今度はドム。
ずりばいに慣れたと思ったら今度はすぐにハイハイ。
移動速度が全く違う正規のハイハイは、ずりばい以上に油断なりません。
移動速度が遅ければある程度コントロールも出来るのだけど、それが早くなればなるほどこちらは他の家事や作業に時間を割けなくなりますから。
ゴミを吸わせてはならないルンバも、低速ならどうにかコントロールできます。
しかし高速移動するようになると手に負えなくなりますよね。
視力も新生児の頃とは比べ物にならないくらい上がっているので、新しい衣服のタグから切り離したプラスチックのT字の留め具なんかも余裕で見つけて口に入れてしまう。
怖すぎる。
タグを切った時にアレがどっか飛んでいってしまった日にゃ、こっちが必死こいてハイハイで床を探しまわる事になる。
怖すぎる。
ドムとはハイハイ期の事を表現していたんですね。
⑧連邦軍本部が襲撃される
ついに連邦軍本部ジャブローにまで到達したホワイトベースだが、追跡していた赤い彗星のシャアにその位置を突き止められてしまう。
水陸両用モビルスーツを含むジオン軍の奇襲攻撃によって戦場と化す連邦軍本部。
シャアは水陸両用のズゴックに乗り、アムロと対峙するのだった。
⑧子育て的解釈
連邦軍は南米の地下に隠された本拠地ジャブローの位置をジオンに特定されてしまった。
これはどう見てもつかまり立ち期の事を示していますね。
ええ、そうとしか解釈できませんね。
ハイハイによる高速移動から、壁やテレビ台、テーブルなどに手をついて立ち上がる時期。
そしてその状態から横へつたい歩きをする。
今までは台の上に物を置いておけば大丈夫だったのだが、今後は上にあってもアウト。
紙なら破かれるしスマホなら割られる。
薄型テレビだって紐で固定していてもなぎ倒される。
水陸両用モビルスーツの投入で索敵範囲の広がったジオンのように、視界が数倍に広がったこの時期の赤ちゃんは本当に手強い。
しかもだ、まだ不慣れなつかまり立ちは失敗して転ぶ事も多く、怪我をしまくる。
親としては気が気でないから意識を常に子供の方へ向けていないといけなくなる。
これではこっちの家事や作業がなんも出来ねぇ。
これは本部をかく乱したシャアの奇襲に他ならないのだ。
⑨宇宙要塞ソロモンの攻防
本拠地の防衛に成功した連邦軍は、モビルスーツの量産にも成功する。
物量で勝る連邦軍は地球上でのジオン軍の勢力圏を次々と塗り替え、宇宙へ撤退させる。
そして主戦場は宇宙へ。
ジオンの本拠地を守る防衛ラインの中核を担う宇宙要塞ソロモン。
連邦軍はソロモンを攻略する為に大規模な攻略作戦を行おうとしていた。
ジオン軍のドズル・ザビは超兵器ビグザムと共にこれを迎え撃つ。
部隊を結集する両軍によるかつてない激戦が繰り広げられようとしていた。
⑨子育て的解釈
ずばり宇宙要塞ソロモンとは1歳児の事ですね。
1歳児は宇宙です。
つかまり立ちとかつたい歩きとかの次元じゃねぇ。
何も無くても立ち上がり、1歳も半ばになると小走りしたりします。
かつてない機動性を手にする。
これがこえーのなんの。
散歩中に急に走り出してアスファルトに顔面強打とかね、普通にあり得るからね。
勝手に動き回って勝手に大怪我する危うい存在。
ドアは固定しておかないと取り憑かれたかのように開け閉めを繰り返し指を挟む。
コード類を抜いて家電を引きずり回す。
コンセントに何か異物を突っ込む。
パソコン台程度の高さならキーボードとマウスを叩き落されます。
そして叩き落としたキーボードから抜けたキーを拾って食います。
俺のaltキーを食うんじゃねぇ。
まじ宇宙すぎる。
しかも自我を持つようになるから、色々要求もしてくる。
でも言葉はまだ「ママ」とか「パパ」とか「ドズル」とかしか言わないからこっちは理解できないことも多い。
しかし理解されないとキレる。
2つの言葉を組み合わせる2語文は2歳近くになってから使い始める子も出て来るが「ドズル・ザビ」は2語文ではありませんのでご注意下さい。
しかしすでに激戦となっている宇宙要塞ソロモンにはビグザムが待ち構えています。
巨大な超装甲のモビルアーマーであるビグザムは、あらゆるビーム兵器を弾き返します。
作中では多数の戦艦を一度に何隻も撃沈していました。
ではこのビグザムとは何ですか?
子育て中の方はもうお分かりですね?
そう、ビグザムとは間違いなくイヤイヤ期の事。
ビグザムとはイヤイヤ期という概念が具現化したもの。
早いと1歳半くらいからスタートするこのビグザム期は絶望しかない。
イヤイヤ期の子は意味不明な強いこだわりを持ち、こちらのいう事を成すこと全て拒否。
まるでビーム兵器を全て弾き飛ばすビグザムのよう。
スーパー等で転がって泣いている子がいたらそれはビグザムです。
親御さんが手を焼くのも無理はないのです。
原作ではホワイトベースのクルーの一人が体当たりで突破口を開きました。
イヤイヤ期はこちらも体当たりで攻略していくしか無いのです。
⑩ア・バオア・クー最終決戦
宇宙要塞ソロモンを攻略した連邦軍。
ジオン軍はア・バオア・クーという最後の宇宙要塞に残った戦力を結集させる。
地球連邦軍も体制を整え、ア・バオア・クー攻略に向けて大部隊を進軍させた。
ここに最後の戦いの幕が切って落とされたのだ。
ジオンには奥の手があった。
圧倒的に不利なこの局面を打開する事ができる兵器、ソーラレイである。
コロニーを改造した超大型ビーム兵器ソーラレイによって連邦軍の艦隊は旗艦を含む3分の1が消滅。
そして高性能機ジオングを与えられたシャアも、アムロのガンダムに最後の戦いを挑むのだった。
⑩子育て的解釈
子育てに携わっていない方でも聞いたことくらいはあるのでは無いでしょうか。
魔の2歳児という言葉を。
宇宙要塞ア・バオア・クーとは2歳児の事に他なりません。
魔の2歳児に親に従うという選択肢はありません。
最後まで抵抗を試みるジオン軍そのもの。
第一次反抗期とも言われるイヤイヤ期も板につき、何でも自分でやりたがる時期。
これだけだと聞こえは良いが、ご飯を食べれば服は汚れ、散歩をすれば手を振りほどき逃げ回る。
物を投げるわいたずらはするわ。
最終局面にきてその抵抗は最高潮に達する。
シャアのジオングはオールレンジ攻撃が可能で、自在に飛ばせる腕による四方八方からの射撃に苦戦するアムロ。
このジオングのようにコロコロ変わる攻撃方法を持つのが2歳児です。
さっきまで好きだった物を嫌いと言い、嫌いなものは好きという。
お出かけしたいと言うから靴を準備するがその頃には行きたくなくなっている。
公園に行ったら最後、泣き喚き暴れる子を引きずるように家に連れて帰る事になる。
まさにオールレンジ攻撃。
敵は前にいるのにノーマークの背後から攻撃をされる気分なのだ。
⑪アムロの帰る場所
ア・バオア・クー決戦はジオン中枢の内紛によって連邦軍有利に進み、攻略するに至った。
爆発する要塞内部に取り残されたアムロは脱出を諦めかけていた。
この戦争中に両親とは決別し、愛した人をことごとく失った。
アムロは孤独なのだ。
しかし声が聞こえる。
撃沈されたホワイトベースの仲間達の呼ぶ声が。
ボロボロの体で脱出したアムロは、仲間達の元へ戻る。
「僕には帰れる所があるんだ。こんな嬉しいことはない」
こうして物語は終わる。
⑪子育て的解釈
子供にとって重要なのはアイデンティティと居場所。
それを与えられる親でなければ、それを与えられる他人に居場所を求めるのが子供だ。
いつだって親はそれを与えることが出来ているのかを問われている。
アムロが帰れる場所を仲間の所に見出したように、子供にとって帰れる場所を僕ら親は提供出来ているのだろうか。
そして、最初の方ではアムロを父親に例えていたのに、ここでは無理やりまとめる為にアムロを子供に例えているのだが、これは果たして許されるのだろうか。
そもそも子育てアニメとして解釈するのには無理があったのではないか。
少なくともクレヨンしんちゃんと同じジャンルとかほざいていた自分に向けてソーラレイを発射したいです。