へんないきものシリーズの最新作が尋常じゃなく深い
僕は長男を尊敬しているんです。
アーティストとして生み出すその作品は凡人の僕の理解を遥かに超えるものから、世相に深く斬り込む問題作まで多様な姿を見せる
一言で言うとじわる。
そんな先生のじわり絵が詰まった最新の作品が完成しました。
へんないきもの3
表紙から漂うこの混沌。
このシリーズも気付けば3作目なんですね。
表紙にはハンドスピナー的な絵が描かれている。
先生は流行には敏感なんです。
ハンドスピナーは事あるごとに取り入れたいと普段からおっしゃっております。
この墓みたいのは何だろうって思いますよね。
表紙に墓かよって思いますよね。
先生に聞いてみたら、これは「レバー」との事です。
な、なるほど!表紙と言えばレバーですもんね!
さすが先生!
表紙にハンドスピナーとレバーを持ってくるこの発想の爆発っぷりに期待が高まりますね。
では早速めくって参りましょう。
てつぼうくん
尋常じゃないくらい読みにくいタイトルなんだけど、これはてつぼうくんで間違いないと思います。
足だけ呪いかなってレベルの太さ。
体幹がすごいと思う。
この作品は体幹の大切さを教えてくれますね。
みずくん
これは一見「みすくん」と読めるんだけど、哀愁すら漂う筆圧の弱さの濁点がついています。
先生は水の優しさをこんな所でも表現したのでしょうか。
ずけいくん
図形を司っていそうな豪快な名前のくせに三角形すらないという作品。
ほぼ四角で構成されているずけいくんのこの笑顔は、「この世の図形は結局ほぼ四角」という先生のお考えが反映されているものと推測できます。
けむりくん
急にテイストが変わったけむりくん。
それはまるで煙のように。
ありとあらゆるものに息を吹き込む先生のスタイルに形等と言う概念は存在しない。
からふるはんどすぴなーくん
とにかくバランスがわるい。
がっつり絡み合っているせいでハンドスピナーの特徴である回転能力が失われている可能性が高いです。
派手さを追い求めると初期の理念を忘れる教訓なのだと思います。
ちなみにここから紙の隅に書いてあった数字は消えました。
ナンバリングなんてのは無意味だという先生のお考えを途中から数字を無くすという形でより強調したのだと思います。
深いです。
からふるはんどすぴなーくんは深いです。
すぴーどまん
これは先生が顔などというものは最早無意味であるというお考えを作品に反映した問題作です。
そして今まで「くん」で統一されていたものを急に「マン」に置き換えたのは、アートに国境は無く、国境にもまたアートはあってはならないというお考えが現れた現象であると考えられています。
これは先生の意思というよりも現象と言えるのです。
くうきくん
最初「いきくん」かと思って聞いてみたら、「くうきくん」だと怒られてしまった。
でもこれは「いきくん」とも「くうきくん」とも読めるハイブリッドな文字になってて、息も空気も同じものだという想いが込められているのだと僕は解釈しました。
息は空気であり、空気もまた息であるという事なのでしょう。
ぶんしんくうきくん
くうきくんが小型化し、複数に増えた作品。
意味不明です。
意味不明なんだけど、それでも何だかみんな幸せそうだからいっか。
そう思える作品。
何だか分かんなくても、結局のところ幸せだと思えたらそれが幸せなんです。
幸せは理屈ではないと言う事をぶんしんくうきくんを介して伝えたかったのだと思います。
幸せですか?