息子の友達のお母さんを黙らせたかった話
いやね、前回お楽しみ会での出来事を書いたんですけど、あれには続きがあって。
昔遊びの後にプチ運動会的なものが企画されてたんですよ。
プチ過ぎて競技が玉入れしか無かったんですけど。
玉入れって競技が終わった後に玉を上に投げて数えるじゃないですか。
「いーち!にーい!」とか言いながらさ。
進行の人が「みなさんで数えて下さいねー」なんつって煽ったらさ、カウントすごい早くて。
上に投げる役のPTAのお母さん全然追いつかないの。
見た目よりもスピード重視になっちゃって、しまいにゃ7センチくらいしか投げてない。
手からこぼれ落ちてんのかなーってくらいの感じで。
財宝を手にした下っ端海賊かと思ったから。
まぁでもこっちは長男が小1だからさ、この学校の事まだ良く知らないんですよ。
この地域のカウントのスピード感はこんなもんなのかなーって納得させて。
すいませんね。
こっちは玉入れのカウントだけ異様に早い地域だった事を知らなかったもんで。
でもねーこのあとですよ。
この後がもっとすごくて。
カゴを中心に円を描くように座るうちのチームの子供達。
そのうちの一部がカウント中で斜めに倒されたカゴに向けて玉投げ入れてたからね。
しかもこれが入るっていう。
鋭い軌道でズバッと入ったからカウント中のお母さん気づかないの。
これでうちのチーム1個多くなったの。
この学校無秩序かよ。
うちの長男は力のみが支配する学校に通ってんのかよ。
ただ。
1個追加でぶち込んだくせに10個くらいの大差で負けてた。
焼け石に水。
確固たる敗北が揺るがない。
かくして違反をした上で大差で負けたうちのチームだけど、その後に保護者も含めた2回戦が行われて。
その時のカウントもまた凄かったね。
もう終わってんのに今度は両チームがガンガン投げ込んでたから。
こんなの初めて。
制限時間超えても尚己の力で未来を切り開く玉入れは初めて。
相変わらず何に追われているんだって早さのカウントが終わりまして、今回はうちのチームが勝利したんですよ。
これで1勝1敗となった訳ですね。
いやーまさかの展開ですよね。
1勝1敗となったら普通次やること決まってくる筈なんだけどさ、驚きましたよねー。
これで終わったから
いやこっち勝敗を決する3回戦やる気満々だったんだけど。
腕まくりとかしちゃってたんだけど。
「これで1勝1敗になりましたね!では玉入れ終了でーす!」
信じ難い終わり方した
夢オチくらいやっちゃいけない終わり方じゃないこれ?
これ自体が夢であれって願わずにはいられなかったもん。
「それではこの後は子供達がジンギスカンを踊りまーす!」
引き分けのインパクトから立ち直れないまま次のダンス的なものが始まりまして。
ジンギスカン。
僕の通っていた小学校とは全く違う振り付けだったけど、今でもやってる所はやってるんだね。
子供心にこの歌は何なんだと思っていたけど、大人になってから改めて聞くと本当に何なんだと思うわ。
そんなジンギスカンが終わった後、この日一番鬼畜なMCが入った。
「では、今子供達が元気よく踊ったジンギスカンを、もう一度やります!今度は日頃の運動不足な保護者の方も一緒に踊りましょう!」
あいつを黙らせろ
実は長男が一番仲良くしている友達のお母さんがそのMCなんであんま変な事言えないんですけど。
誰かあいつを黙らせろ!
子供らばっか一生懸命踊ったのにお父さんお母さんはやらないの?
そんな視線からプレッシャーを感じて保護者みんな踊りだすんだよね。
偉いもんだよね。
よせよ!馬鹿かよ!
僕のこの想いを眼力に込めて振りまいたんだけど、もうみんなすでに重い腰をあげちゃってんのよ。
なんで重い腰上げちゃったんだよ。
今のくそダセェ踊りを見てよくぞ自分らもやろうと思うよな。
ジンギスカンの出だしの早口の所とかボックスステップ踏んでたぞ。
あんな哀しみしか生み出さないステップ踏むのは子供達だけで十分だろうよ。
結果見よう見まねで間違えまくったジンギスカンを踊る羽目になり、しっかりとした、わりとしっかりとした輪郭のトラウマが出来上がった。