電子メモ帳に書いた大喜利の回答
午前4時、インドだったら痩せた野犬に襲われて噛み殺されるような時間帯に僕は仕事が終わって家に帰るわけですよ。
日本じゃどっちかっていうと僕が痩せた野犬を見るような目で見られているんですけどね。
早朝ランニング中のアスリートみたいな人にぶっとい木の棒で追っ払われそうな勢い。
一撃が重いやつ。
バシッ!じゃなくてゴッ!のやつ。
こちとらゴッ!のやつやられかねない見た目しちゃってて。
勤務が無駄に長いもんで、髭とかボーボーですもん。
生産性下げててごめんなさい。
で、命からがら逃げて滑り込んだ家の中はスタンバイ状態のゲーム機の明かりだけ。
その部屋を明るくしたら妙なダンボールが目に入ったんですよね。
おととげもの。
まぁ文字が書けるのは妻か長男なんだけど、これは多分長男でしょう。
これが妻だったらあだ名を「おととげ」にしてやる所だけど、多分長男でしょう。
にしても。
小2になったのに大丈夫か長男の国語力。
まぁそれは置いといて。
周囲の絵も若干気になるところではあるけど、これもガン無視で中開けますよね。
クソめんどくせぇ。
丸めたチラシ地獄。
結構な圧で押し込んであるから見た目以上に数がすごい。
長男にこんな圧の才能があったなんて。
将来はこの圧を活かした仕事に就いて欲しいわ。
しかし中身はなんだろうね。
むしろこのまま何も無いとか十分あり得る。
っていうかこの圧の感じはこれ自体がやりたかった事で、中身など始めから考えていない可能性が高い。
ただただ押し込みたかっただけ。
自らの持つ圧の力で押し込みたかっただけ。
力を手にした者はやがてその力を使いたくなってしまうものなのさ。
圧の力に溺れし愚か者め!
我が子の過ちを止めるのは親である私の、いや、圧の創始者である私の責務であるのだ!
ごめん。
泣けるメッセージが電子メモ帳に書いてあった。
圧に溺れしとか何とか言っちゃってごめん。
全然溺れてない。
君は最高。
超イイヤツ。
ありがとう。
お礼に何か書かなきゃって思って。
でもボケなきゃいけない雰囲気もあるでしょ?
こんなのどう見たってフリなんだから。
父の威厳ってのはさ、こういったフリに対して完璧な笑いを取るところで保たれるから。
学校でさ。
「うちのパパにおかえりってふったらさ、パパこんな回答してきたんだよ!」
「マジかよすげー!」
こんな会話がなされるかもしれないじゃない。
これで教室中どっかんどっかん。
それで威厳が保てるわけですよ。
でも、ちょっといいですか?
こっちすごい眠気もあって。
人間が殆ど野犬みたいな状態になるって、それは結構疲れてるから。
眠いのよとにかく。
絶好調だったら知らないよ?
絶好調の僕はもう止められないから。
絶好調だった時の記憶は殆ど無いんだけど、まぁ大地は軽く揺れてたよね。
僕の記憶によると笑いで大地は揺れてた。
でもねー、この時はとにかく眠かったもんだから。
だからさ。
地獄みたいな事書いちゃったよねー。
あれ?って。
寝て起きて確認したらあれ?って。
この地獄絵図書いたの誰?ってなったから。
寝てる間にさかなクン来た?ってなったから。
長男に見せたら「あ、うん」つってそっこー消してた。