「はじまり」という名の本
次男が本を作ったと言う。
小1の次男が。
彼の作り出す作品をリスペクトする僕なので出来れば帯を書かせて貰いたかった所だが、もう現物を手渡されたから仕方無い。
すでに出来ちゃってた。
まぁ良いでしょう。
どれどれ。
「はじまり」
表紙から怪しい。
ガッチャガチャの製本状態のわりに字が綺麗で余計怪しい。
心してめくってみましょう。
…。
ちょっと一回戻ろう。
何が起きたのか分かんなかったから。
何かは起きてたけど、何が起きてたのかよく分かんなかった。エヴァンゲリオンを初めて観た時みたいな、あの感じだったから。
よし、おっけー。
来い。
「あーねぐせだ」
すごいね。
いきなりパンチ効いてるね。
寝癖気にしてっけど、首から下無い事を先に気にして欲しいよね。
人には優先順位ってものがあるから。
「んー」
どういう感情ですかね。
次ページでは首から下は結構生えたけども、赤木キャプテンみたいな髪型にセットされる。だが寝癖はそのまま。わからん。
何よりも「ん」が達筆過ぎる。
神童かよ。完璧な「ん」をなんて所で出してんだ。
いや、ストーリーに戻ろう。文字の上手さに注目するなんて作品に失礼だ。何か謎の感情が芽生えたこの寝癖くんに注目しないと。
この後一体どうなるんだろうか。彼の寝癖は、次のページでは一体どうなっているんだろう。
何でだよ。
並じゃない。
並じゃない場面の切り替わり具合。
全部嘘だったの?今までの事は全部嘘だったんですか?
「たべよー」って。
まさか右目だけ粒を見ている芋虫が出るとは思わなかったな。
これで分からなくなった。次はどう出るか。何で来るか。
寝癖くんの復活はあるのか。
なるほど。
スイカと蟻で来ましたか。
強烈な一手を打ってきましたね。人智を超えたAIの一手みたいな。
と言う事は、もう寝癖君は完全に忘れて良いんですね?なんせスイカと蟻来ちゃってっから。
忘れて良いんですね?
で、この蟻はスイカをどうしちゃうんですかね?
さすがに分からん。
分からんので近くでYou Tube観ている作者に聞いてみた。
「これはどういう、どういう状況?」
「これはスイカを巣に無理やり運んだ」
ありがとう。
スイカが蟻の巣の形に「ぼーよんー」となったか。なるほど。
手強い音出てるねー。
ぼよーんじゃない辺りが手強いねー。
でもスイカが蟻の巣にねじ込まれる時の音って実際はこれかも知れないから。
実際やってみたら「ぼーよんー」って音がして「あれは本当だったんだ」ってなるかもしれないからね。
さて、蟻がスイカを巣にねじ込みましたが、この後はどうなるのでしょうか。
また全く別の世界の物語が展開されるのでしょうか。
あら可愛らしい。
けど全く別の世界ですねこれは。
この本は散らかしたまんま回収せずに全く新しい世界に突き進んでいくやつなんですね。
ここは蝶とお花の世界。
最初の生首寝癖くん等はいない平和で優しい世界。
セリフも無し。
うん。嫌な予感がする。
なんか嫌な予感がする。
恐る恐る次ページへ。
やっぱり。
何も書かれていない。
これはですね、飽きましたね。
何一つ回収せずに飽きて辞めましたねこれ。
本にはまだまだ余白があるので、また意欲が出た時に続きが描かれる冨樫先生スタイルかな。
そこに期待して待ちたいと思います。