【子育て】 門が開かない地獄
幼稚園の送り迎えってさ、男の人あんまいないんですよ。
あんまっていうか、殆どゼロに近いんですよ。
まぁ保育園と違ってだいたい皆さん専業主婦なので、送り迎えは奥さんの仕事って感じなんでしょうね。
でも僕は仕事柄それが可能な日があるので、最近は出来る限り送り迎えするようにしたんですね。
ただほら、僕って被害妄想が激しめじゃないですか。
だいたいの人にうざがられてるって思いながら生きてるタイプの自意識暴発人間じゃないですか。
朝子供連れて幼稚園までいくとさ、まだ門が開いてないときがあるんですよ。
そしたらまぁそこで待ちますよね。
他にも待ってるお母さんたくさんいますよね。
みんなパーティー組んでますよね。
いい感じに地獄。
いい地獄に育ってきたなーって思う。
お母さん方はいくつかのグループになって話し込んでいます。
マザートークですね。
僕は子供の手を繋いで永遠とも思えるこの時間がただただ過ぎ行くのを待っている。
知ってるよ。
僕ごとき眼中になくてさ、全く違う話してるのは分かってるよ。
でもさー聞こえちゃうんですよ。
「なんか変なやつ紛れ込んでるんですけどー」
みたいな幻聴が聞こえちゃうんですよねー。
「おーっと、きもい包茎野郎が門が開くのを待っているー!さぁいつ開くのか!包茎は開かないが、門はいつか開く筈だー!」
みたいな実況でもされてんじゃねーかって思っちゃいますよね。
そんでここからですよ。
子供ってほら、ただ待ってるのって苦手じゃないですか。
僕も未だにそうですし。
走り回ったりさ、同じ組の子を見つけて一緒に遊びだしたりする訳じゃないですか。
いいよねー。
育ってきたよねー。
もうこの地獄はさ、出荷出来るくらいの地獄ですよ。
ああもう農協持ってける地獄ですわ。
そのお友達のお母さんグループの方へ走っていったりしてさ、一緒にこっちの方戻ってきたりしてさ。
「ハハハ」
って言う。
腕でも組みながら。
ハハハって言うしかない。
「ハハハ気を付けてねーハハハ」
っていう。
軽く会釈して。
「あ、おはようございますーどうもーハハハ」
「あ、おはようございますー(包茎死すべし)」
だからね。
だからですよ。
こうなる事が分かっているからですよ、僕は下の子も連れて行くんですよ。
まだ2歳になりたての子供ってほら、危なっかしいでしょ?
危なっかしいよね?
付きっきりで見てなきゃいけないからさ。
いやーほんと、危なっかしいから大変だわ。
っていう感じを出しながら手持ち無沙汰を解消するんです。
門が開くとき、僕には後光のようなものが見えるよ。
た、助かったー。
で。
お迎えの時。
いつもより時間おしててさ、なんか門の前で待たされる事がちょいちょいあってね。
いやー帰りもさ、いい感じに地獄育ってるよねー。